「日食のしくみと不思議」について

 2009年7月22日、日本の陸地で46年ぶりとなる皆既日食がおきました。ここ名古屋でも太陽がかなり欠けるという珍しい天文現象になりました。そのため、2009年6月から、小学校や児童養護施設をはじめ、いろいろな施設で、日食のしくみや観察方法を解説しました。
 具体的には、名古屋市科学館プラネタリウムと連携を行い、プラネタリウムで実際に使っているコンテンツを用いて、スライド、動画、アニメーション、リーフレット、模型等を作成、分かりやすく日食の仕組みについて説明します。レクチャー時間は45分間。対象年齢は小学校4年生程度ですが、レクチャー先により、レベルの調整を行いました。

教材コンテンツについて

 主な教材とながれは以下のとおりです。

スライドを使いながらレクチャーを行いました。レクチャーのながれは、名古屋市科学館プラネタリウムの学芸員にアドバイスをいただき、正確で分かりやすいレクチャーを目指しました。プラネタリウムで投影している絵をお借りし、充実した内容になりました。
太陽の観察は、間違った方法でおこなうと、目に大きなダメージを与えます。そのため、観察の仕方をきちんとレクチャーする必要があります。しっかりと、印象づけるため、学芸員がその方法を直接解説する映像コンテンツを用意しました。
日食は、月の影によって起きます。その仕組みをきちんと解説するために、アニメーションも幾つか用意しました。動きを示しながら仕組みを解説できるため、学ぶ側だけでなく、教える側にとっても有効な教材となりました。
しくみを学ぶだけでなく、実際の日食観察を行ってもらいたいと考え、レクチャーの内容をまとめたリーフレットを作成しました。
日食を観察するのに最も手軽な方法は、日食メガネを使うことです。そこで、レクチャーの最後に、受講者に日食メガネをプレゼントしました。日食当日が迫るにつれ、市場では、手に入りにくくなっていたため、受講者にとっては嬉しいプレゼントとなりました。

教材コンテンツと活動記録

 2009年に実施したレクチャー数は、6カ所、のべ8回。参加人数は、235名にもなりました。今回のレクチャーの目的は、名古屋市科学館になかなか行くことができない人たちに科学館の知識と資料をお届けするということ。ある児童養護施設の3年生の男の子が、レクチャーが終わったあと「つきってなんですか?」と質問したことが印象に残りました。市民のための科学館、その知識を平等に子供たちに伝えていく。新しい科学館としてのあり方を模索するという良い機会にもなったと思います。
 レクチャー先は、下記のとおり。
 大口町立大口北小学校、名古屋第二赤十字病院(八事日赤)小児病棟、ひばり学級、中日青葉学園、名古屋文化キンダーホルト、大森小学校トワイライトスクール、金城学院高等学校など
 教材コンテンツの詳細と活動記録を以下のWebから閲覧することができます。